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【シリーズSDGs】ゴール⑭ 海の豊かさを守ろう ~正しい理解と身近な努力~

SDGsお知らせ 2022.01.31

 

荒木商会では、SDGsをシリーズ化してそれぞれのゴールを考えていくと共に、弊社での取り組みに紐づけて、ご紹介していく事にしております。また社員と共有することで、会社が向かう方向性の理解と、意識づけ、行動の伴う実践として取り組んでまいります。

 

【シリーズSDGs】

ゴール①『貧困をなくそう』

ゴール②『飢餓をゼロに』

ゴール③『すべての人に健康と福祉を』

ゴール④『質の高い教育をみんなに』

ゴール⑤『ジェンダー平等を実現しよう』

ゴール⑥『安全な水とトイレを世界中に』

ゴール⑦エネルギーをみんなに、そしてクリーンに

ゴール⑧『働きがいも経済成長も』

ゴール⑨『産業と技術革新の基盤をつくろう』

ゴール⑩『人や国の不平等をなくそう』

ゴール⑪『住み続けられるまちづくりを』

ゴール⑫『つくる責任、つかう責任』

ゴール⑬『気候変動に具体的な対策を』

ゴール⑭『海の豊かさを守ろう』

ゴール⑮『陸の豊かさも守ろう』

ゴール⑯『平和と公正をすべての人に』

ゴール⑰『パートナーシップで目標を達成しよう』

 

 

◎ゴール⑭『海の豊かさを守ろう』

 

【シリーズSDGs】14個目のゴールは『海の豊かさを守ろう』です。

 

持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する。

ことが目的です。

 

私たちは、海からたくさんの恵みを受けて受けています。雨水や気候、多くの食べ物、空気中の酸素まで海が創り出しており、人間が住める環境になっています。

 

人類が生き物から受ける利益を『生態系サービス』または『エコロジカルサービス』と言います。

海におけるこの生態系を守ることが持続可能な将来には欠かせません。

 

日本語訳としては『海の豊かさ』と記されていることが多いですが、英語では『life below water』と記されており、海に限らず、湖や川を含めた『水』の事を指し、belowは下を意味するので、『水の中の生物』を表しています。

 

いわゆる『水中で生きているすべての生物の命を守る』ということになります。

 

◎生態系サービスとは

 

生態系サービスには、次のようなものが含まれます。

 

・供給サービス

食料、燃料、木材、繊維、薬品、水など、人間の生活に必要な資源を供給する事。

 

・調整サービス

気候変動の緩和や大気・水の浄化、自然災害の防止など、環境の調整を行う事。

 

・文化的サービス

精神的な充足や美的な楽しみ、宗教・社会制度の基盤、レクリエーションの機会などを与える事。

 

・基盤サービス

光合成による酸素の生成、土壌形成、栄養循環、水循環など、上の3つのサービスの供給を支える事。

 

人類は、これまでもこれからも『生物多様性』の中の一部として暮らしています。生物多様性とは、生き物たちがそれぞれの環境に応じて豊かな個性を持ち、お互いに支え合って生きていることを指します。

 

地球上では、あらゆる生き物が食べたり食べられたりする食物連鎖の元、バランスが保たれています。しかし現在、水中の生物多様性が破壊され始めています。

 

SDGs14の目標では、これら生態系サービスを守ることが目標とされています。

 

◎海の大きさと豊かさを知る

 

『海』について考えてみます。

 

海は陸と比較して、地球表面全体の4分の3を占めています。地球の水の97%は海にあり、生物が生きるスペースの99%は海です。海には確認できるだけでおよそ20万種の多様な生物が暮らしています。

 

地球温暖化を抑えるためには、二酸化炭素排出を抑える必要があります。前回のゴール⑬でも記しましたが、その為には森林を増やす必要があります。そして海もまた、人間が出した二酸化炭素の30%を吸収してくれているのです。

 

世界の人口の40%(日本の人口の24倍)にも当たる30億人以上の人々の暮らしは、海洋と沿岸の生物多様性に依存していると言われています。

 

また、海は水たまりではなく海流となって移動し、世界の気温や気候に影響を与えています。人類を含めた様々な生物の移動を助け、食料はもちろん、天然資源(最近ではメタンハイドレードやレアメタル、マンガンクラストなど)を人々に提供しています。

 

さらには、人々の観光やレジャー、娯楽の場としても活用されています。

 

◎海における様々な問題

 

先に書いた二酸化炭素の30%を海が吸収してくれる。これにより海が受けている影響があります。それは、『海の酸性化』です。大気中などに濃度が上がった二酸化炭素が海洋に溶け込み、海が酸性に向かいます。とは言っても海が酸性になってしまう訳ではなく、もともとアルカリ性の海が酸性に傾くことで中性に近づくということです。

 

『海の酸性化』が起きると、海洋の生物に様々な影響を与えます。ウニが育ちにくくなり、下記などの貝類の成長に異変が起きることで殻がつくれなくなり、サンゴの分布域が変化する可能性があります。また様々な生物の受精率が下がるとも言われています。

 

人間にとって魚は重要なたんぱく源です。現在、総量で約2億トンの魚が毎年水揚げされています。しかし、1990年以降世界の人口は増加する一方で、天然の魚の漁獲量は増えていません。

 

天然の魚の漁獲量が増えていないので、その代わりに養殖の魚が急増しています。しかし、養殖場を作るために沿岸の自然が破壊されたり、養殖場から出る排水や廃棄物によって環境汚染をおこしたり、養殖場から逃げた魚が生態系を壊したりするなどの問題があります。

 

また、近年乱獲によって大きな漁船が魚などを一気に獲ってしまうことで天然の魚が減少しています。このまま何の対策も講じず漁獲と消費を続けると、2048年には食用の魚がいなくなるというレポートも発表されています。

 

◎深刻なプラスチックによる海洋汚染

 

海洋汚染は、人間の生活から排出されるゴミや有害物質によって引き起こされています。人間のあらゆる活動が海の環境に影響しているのです。

 

プラスチックゴミ、マイクロプラスチックによる問題は以前のコンテンツにも記載しているので以下をご覧ください。

 

プラスチックごみと富山湾-マイクロプラスチック問題-

 

 

日本はプラスチックごみを大量に海に廃棄している現実があります。プラスチックゴミでリサイクルされているのは一部に過ぎません。

 

便利さを追求するために、私たちは海を犠牲にしてきました。

2050年までに海洋プラスチックごみの総重量は世界中の魚の重量を上回る可能性があると言われています。

 

◎正しい理解と身近な努力

 

『サステナブル・シーフード』と呼ばれる水産物が増えています。私たちが将来も持続的に食べ続けていける、魚のとりすぎや自然を傷つけることがない方法で獲れた水産物の事です。こうした水産物には海のエコラベルが付けられています。また養殖のものにも認証ラベルが付けられているものがあります。

 

必要なモノだけを消費してごみを減らすことが大切です。プラスチックの利用を最低限に抑えて、マイボトルやマイ箸等のエコ商品を使用することもできます。浜辺の清掃は様々な地域で行われています。そのほとんどがボランティア活動です。

 

以前も書きましたが、富山県のマイバック持参率は全国一です。

 

『プラごみ問題』~富山県のエコバッグ持参率は全国一位です。~

 

2020年7月よりレジ袋の有料化が始まりました。この有料になったお金は何も税金等で環境に活用されるわけではありません。あくまでも有料化にすることでマイバックの普及を促し、消費者の環境問題への意識を高めようとする取組みです。

 

地球温暖化をはじめ様々な問題が地球では起こっています。大切なことは正しい理解と、私たち一人ひとりの身近な努力と取組みです。今始めなければ手遅れになる課題が山積している現実があります。

 

全人類の努力により、海の豊かさを守っていく事は可能です。

『海の大きさと豊かさ』を知る事、正しい理解によりできることから始めましょう。

 

 

日本にはおいしいお刺身やお寿司という素晴らしい食文化があります。世界に向けて、そのおいしさは伝えてきましたが、魚や海と人類が共生していく方法は伝えてきていません。将来的にも日本の食文化を胸を張って紹介できる未来にするために、この海の大きさと豊かさを大切にし、守っていく取組みと方法を発信していきたいと考えます。

 

 

※国際連合広報センター 持続可能な開発目標(SDGs)より引用

 

 

※以下の参考書から引用、参考にさせていただきました。ありがとうございます。

SDGsがわかる本

SDGsのきほん 未来のための17の目標 目標13気候変動

図解でわかるSDGs「17の目標」と「自分にできること」がわかる本

 

 

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